まねき屋の張子blog

まねき屋の張子作業に関するblogです
ぼちぼちと更新して行きます
<< October 2018 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>

下地塗り

今度は下地塗りの作業です。

下地には胡粉(ごふん)を使います。
胡粉は貝殻を焼いて粉末にした物で
白絵の具の材料としてだけで無く
工芸品や日本画の下地材として広く使われています。
また、高級品の雛人形の顔にも使われており
あの自然な白さと独特の艶を醸し出しています。
意外な所では「塩豆」の表面の白い部分にも
胡粉が使われています。

胡粉には使用されている貝殻の種類と
粉末の細かさによって様々な等級があり
安い物と高い物では10倍もの価格差がありますが
当方が使用しているのは高級品ではありません……(^ω^;)

胡粉は膠(ニカワ)で溶きます。
膠は動物の皮などから抽出される物質で
古くから接着剤や、絵の具の定着材として利用されています。
因みに、食品等に使用されているゼラチンは
膠を高度に生成した物、との事です。

胡粉をいきなり膠液で溶いてしまうと
胡粉がダマになってしまって仕上がりが綺麗になりません。
ダマにならない様にする為に膠液を少しずつ加えて良く練る
「胡粉練り」と言う作業が必要になります。
因みに胡粉練り作業の画像は撮りそびれてしまいました……(-_-;)
次回の作業の際にはちゃんと撮影したいと思います。

膠はゼラチンなので、温度によって状態が変わります。
温度が高ければ柔らかくなって結着力が弱まり
乾燥の際にひび割れたりしてしまいます。
なので、人形師等が胡粉を膠で練る場合、
その日の温度や湿度によって配合を変える、と言います。
当方は季節によって配合は若干変えますが
約1週間に及ぶ胡粉塗り作業用の胡粉を
予め一度に作って置きますので
その日その日に合わせて配合を変える事は出来ません。
なので、エアコンを駆使して室温の方を調節しています。
文明とは有難い物です……

体験的には、胡粉塗り作業には15℃以下が良い様です。
なので、世間的には暑くない日でも
ガンガンにエアコンを点ける事も少なくありません。
地球に優しくないですね……(^ω^;)

先に書きましたが、当方は胡粉液を大量に用意します。
今回は胡粉5kg、膠液約8ℓ分を作りました。

それを容器に入れ、湯煎で温めながらかき混ぜます。
温めると胡粉と膠がより馴染み、使いやすくなります。

ですが60℃以上になると胡粉の色が悪くなりますので
注意をしなければなりません。

胡粉の用意が出来たらいよいよ胡粉塗りです。

紙の生地に胡粉をたっぷりと含ませた刷毛で
刷り込む様にして塗ります。



この時に良く擦り込んで、
紙生地と胡粉をしっかり馴染ませておかないと
重ね塗りの際に気泡が生じてしまい
最終的に表面が綺麗に仕上がりません。

首の方も同様にして胡粉を塗って行きます。


先に作業の際は15℃以下が良い、と書きましたが
胡粉液自体がその温度になるとゼリーのように硬まってしまいます。
そうなると、「塗る」と言う作業に支障を来たします。
かと言って、胡粉液が温か過ぎても逆に扱い難くなります。
なので、塗る際に胡粉液の調子を見て
硬くなったら少し温め、柔らか過ぎたら冷やし、と
液温調節をしながら作業を進めて行きます。

胡粉を塗った生地はその都度乾燥させます。
一度塗っただけの状態がこちら。


2度目。


4度塗って、やっと生地として完成します。

世の中の張子全てが胡粉を4度塗っている訳ではありませんが
当方はそれ位の厚さの胡粉の生地の質感が好きなので
そうしている次第です。
塗れば塗る程表面は滑らかで綺麗になります。

胡粉を塗った物は、藁を束ねて作った専用の台「藁苞(わらづと」に
並べて刺して乾燥させます。


一度に作業する量は1000個以上に及ぶ事もあります。

なので約一週間、ぶっ通しで胡粉塗り作業をする事になります……

胡粉生地が完成したら、いよいよ色塗り作業になりますが
それはまた次回に……


来年の干支、ねずみの特集ページを設けました。
よろしければ本家サイトの の方へも
お越し下さいませ(^−^)/

にほんブログ村 雑貨ブログ 和雑貨へにほんブログ村 美術ブログ 工芸へ人気blogランキングへ
生地作り | permalink | comments(2) | trackbacks(0) | - | - |

部品付け、串付け

目貼りが乾いたら、部品付けと串付けをします。

串付け用に穴を開けます。
穴開けには、木のボールに錐の刃を取り付けた
自作の専用の道具を使っています。


起き上がり小法師の底面に穴を開けます。



その為に重りには穴が開いていた次第です。

穴開けをした直後は、穴の周辺にバリが出てしまっています。

なので、それをカッターで切り取ります。


耳を取り付ける為に切り込みを入れます。



予めボール紙を切って作っておいた耳を取り付けます。


底面の穴に、しっかりと串を差し込みます。



串は両端が尖った、特注品の串です。


同様に、俵ねずみの方も準備します。







首も同様にします。








これで準備完了です。

次からは下地塗り作業に取り掛かりますが、それはまた後日……




来年の干支、ねずみの特集ページを設けました。
よろしければ本家サイトの の方へも
お越し下さいませ(^−^)/

にほんブログ村 雑貨ブログ 和雑貨へにほんブログ村 美術ブログ 工芸へ人気blogランキングへ
生地作り | permalink | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |

張り合わせ→目貼り

前回、割り出した紙生地を貼り合せます。

まずは起き上がり小法師。
合わせ目に木工用ボンドを塗ります。
狭い部分にも塗れる様に串を使います。
当方はこの作業に、バーベキュー用の串を
削って尖らせた物を使用しています。


切断面を合わせます。


段差が出来無い様に均します。


底面にボンドを盛ります。


其処に、予め作っておいた鉛の重りを押し付けて接着させます。


合わせ目にボンドを塗ります。


切断面をあわせます。
段差が出来無い様に均します。


細く裂いた目貼り用の紙に糊を塗ります。


合わせ目に目貼りをします。


良く接着する様に全体を指で均します。


目貼り紙を貼った瞬間から、
紙生地は糊の水分を吸って柔らかくなってしまいます。
なので、この間の作業は手早く行わなければなりません。
少しでももたもたすると、持った指の圧力で
生地が凹んでしまったりします……


こちらは首振り。
俵ねずみは背が高く、底面が狭い為にやや安定が悪いので
其処に重りとして小石を取り付けます。


合わせ目にボンドを塗ります。



切断面を貼り合わせます。



合わせ目を均します。


目貼りをします。




全体を指で均します。


首も同じ様に作業をします。





こう言う状態になります。


ここから下地塗りの作業になりますが、それはまた後日……



来年の干支、ねずみの特集ページを設けました。
よろしければ本家サイトの の方へも
お越し下さいませ(^−^)/

にほんブログ村 雑貨ブログ 和雑貨へにほんブログ村 美術ブログ 工芸へ人気blogランキングへ
生地作り | permalink | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |

割り出し

型に紙を張った後は乾燥させてから割り出しをします。

紙を張り終えた直後はこんな感じです。


で、こちらは乾燥させた状態。

これをカッターで切込みを入れて、中の型を取り出します。

まず、首の部分の穴を開けます。


完全に切り離してしまわない様に気を付けながら
全体にわたって切り込みを入れます。



そして中の型を取り出します。




首の部分も同様に割り出します。




起き上がりのねずみも同様にします。




割り出した生地は継ぎ目を貼り合せるのですが
それはまた後日……


来年の干支、ねずみの特集ページを設けました。
よろしければ本家サイトの の方へも
お越し下さいませ(^−^)/

にほんブログ村 雑貨ブログ 和雑貨へにほんブログ村 美術ブログ 工芸へ人気blogランキングへ
生地作り | permalink | comments(2) | trackbacks(0) | - | - |

紙張り中……

現在、生地を作る為の紙張り作業中です。
今、来年の干支のねずみの物を中心に紙張りしています。
こちらは首振りの俵ねずみの型です。


こちらは起き上がり小法師の型です。

これらの上に和紙等を張り重ねています。

和紙は京都の黒谷和紙をつかっています。
大きなサイズのを買っていますが、
用途に応じて適当な幅に切って使います。

紙張りに使用する場合、型の大きさに合わせて
使いやすい大きさに切ります。

糊は洗濯糊を使っています。
以前は自分で糊を作ったり、色々なメーカーの物を試したのですが
近所のスーパーで売っていた某メーカーのこの洗濯糊が
一番使いやすかったですw

でも、そのスーパーがこの糊の扱いを止めてしまいました。
買いだめした在庫があるので暫くは大丈夫なのですが
今後どうするべきか、ちょっと考え中です……

その洗濯糊を適当に薄めて刷毛で塗ります。


それを型に張り重ねて行きます。
型の大きさ、形にもよりますが
少なくとも5〜6枚は張り重ねて厚みを作ります。



起き上がり小法師の型にも同じ様に張り重ねて行きます。



張り終わるとこんな感じです。



同じ様に首の型にも和紙を張り重ねます。


後は乾燥させて割り出すのですが
その作業の様子はまた後日……


よろしければ本家サイトの の方へも
お越し下さいませ(^−^)/

にほんブログ村 雑貨ブログ 和雑貨へにほんブログ村 美術ブログ 工芸へ人気blogランキングへ
生地作り | permalink | comments(4) | trackbacks(0) | - | - |