まねき屋の張子blog

まねき屋の張子作業に関するblogです
ぼちぼちと更新して行きます
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引っ越し

すっかりご無沙汰してしまっております。

さて、この度転居をしました。
今迄賃貸ながら一軒家に住んでいたのですが
これから先の事を考え、
こじんまりとした生活をして行こう、と言う事になり
公団住宅の一室を終の棲家とする事になった次第です。

で、終の棲家にするからにはハード面には拘ろう、と
セルフリノベーションで自分達好みに仕上げました。
新しい工房になる部屋はこんな感じ。

床壁天井、全て自分たちでペンキ塗りをしましたよ。
かなり辛度かったですが・・・・・・

生活用品の運搬は引っ越し業者に頼むのですが
当方の作業関連の物は自分で運ぶ事にしました。
例えば作業途中の胡粉生地の物。

こうして種類別に餅箱に入れて保管しているのですが
これを引っ越し業者が運ぼうとした場合、
破損を避ける為には一つ一つを丁寧に梱包し
餅箱全体も梱包しなければならないのですね。

で、現在、胡粉生地の物は全体で500個近くある訳で
それを全て梱包しなければならないとしたら
それは考えるだに恐ろしい手間になり
それは引っ越しの代金に上乗せされる事となる訳です。

だけど、自分で運ぶ分には扱いは適当で構わないし
破損があっても自己責任だし、引っ越し代も節約出来る、と。
と言う訳で、本格的な引っ越しの前に
自分の作業関連の物を運び込む事にした次第です。

まずは工房のスチール棚を自分で分解し、
自分で新居に運び込みました。
業務用の丈夫な棚なので全体の重量も150kgはありました・・・・・・
そして、それを組み立てます。


作業途中の物を種類別に分類して保管しますので
棚の段数が尋常ではありません。



棚が完成したら、餅箱を早速置きます。




そして完成。


当方は200種類以上の張子を作っているので
分類して保管するのに最低これくらいの段数が必要になります。

続いて型の保管用の棚を設営。



型も種類別に分類して居ますので
必然的に棚板の数が多くなってしまいます。

棚が完成したら種類別に型を並べて行きます。





そしてベランダに物置を設置。




と、こんな具合で工房の移転が始まったのですが
実際に生活雑貨を含めて運び込まれるとこんな状態に。


身動きが出来無い程に
部屋が箱で埋め尽くされてしまいました・・・・・・


予定して居た場所にベッドが入らない、とか
様々なトラブルもあり、まだ中々片付いていません il||li _| ̄|○ il||li
作業再開は何時になるのでしょうか・・・・・・
(∩;゚皿゚)ヒイィィィッッッ!





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テキヤの実際 その8

すっかり放置してしまっておりました。
世間ではもう春ですねー
久し振りのblogです・・・・・・


テキヤは各地域の露店商組合に所属しています。
基本的にその支部の縄張り内で出店をしていますが
人により、時期によっては遠く離れた場所に出店に行く事もあります。
その場所を仕切っている人が知り合いや兄弟分で
そのコネを頼って出店に行くのです。

自宅の近くで出店をする場合は夜は自宅に寝に帰るのですが
遠方での出店ではそれは出来ません。
宿を取ると宿代も結構掛かります。
また、近くに宿が無い場合も少なくありません。
その場合は車中泊をする事になります。

以前、当方も何年か車中泊をする出店を続けた事がありました。
その祭りは出店関係者用の駐車場が確保してありましたので
その場所で車中泊をしました。
軽のバンの荷台にエアベッドを設え、そして寝袋に入って寝ました。
窓には全面に黒布を張り、目隠しをしました。

冬場の祭りの時は電気アンカで暖を取りました。
出店の照明用の電線から電気を引くのですが
他の人が使っている場合もありますので
車から最寄のソケットから電気を引けるとは限りません。
ですので、その為に10m程の延長コードを用意していました。

また、当方はその経験はありませんが
電気を引けない場所で車中泊をしなければならない事もあります。
冬場でそれに対応する為には
石油ストーブや、練炭七輪でコタツを設置して暖を取ります。
遠くへ旅の出店をする様な人達は
当然そう言う道具を装備していて
トラックのパネルの中で布団を敷いて寝ているのです。


こちらの画像は、車中泊をしていた冬場の祭りでの物です。
此処では出店していた神社の境内の
すぐ隣の雑木林の空き地が駐車場に充てられていました。


この荷台にエアベッドを置いて寝ていた次第です。

この画像を撮影したのは車中泊した翌早朝。

出店中の昼間はこの雑木林はトラックで一杯になりますが
夜〜早朝はこの様に閑散としています。
夜通し此処に停めている、と言う事は
それだけの人が車中泊をしていた、と言う訳です。

当方は車中泊は年に数回だったので
普段出来無い特別な事、ちょっと楽しみでもあったのですが
知り合いのテキヤは3週間連続で旅に出ていたそうで
そうなるとかなりキツイのでは無いかと思います。
テキヤはそれこそ体力勝負です。

当方の車中泊は最長で2日連続でした。
行った先で、どの店で食事をしようか迷ったり銭湯に行ったり。
祭りの喧騒が消えた中で眠りに入り
鳥の声で目を覚ますのは結構楽しい物でしたねー


車中泊は、当方の考える「テキヤのマレビト感」を
より強く演出していると思います。
マレビトの解説はこちら→Wikipedia






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テキヤの実際 その7

長らく放ったらかしで申し訳ありません……m( _ _;)m


三寒四温の言葉通り、寒かったり暖かかったりしていますね。

所で、 
 
 テキヤ殺すにゃ刃物はいらぬ 雨の三日も降れば良い

と言う言葉があったりします。

露店商は文字通り「露天」で商売をしていますので、
売り上げは天候に大きく左右されてしまいます。
例え晴れていても、暑過ぎても寒過ぎても客足に影響しますが
中でも一番の大敵は雨です。
雨が降っては客はまず出て来てくれません。

それに加えて当方の場合は
売っている物が和紙を材料にしていますので
水が掛かっては困ります。
一応、表面保護としてクリアラッカーは塗っていますが
完全防水ではありませんので
長時間、雨粒が着いてしまっては困ります。

かと言って、雨だからと露店を休む訳には行きません。
祭礼の期日は限られています。
それを休んではおまんまの食い上げですし
わざわざ当方の出店を目当てにいらして下さったお客様にも
申し訳ありません。

その為、雨の日にはビニールシートで両脇を覆い
雨が吹き込まない様に防御をします。
正面はお客様の為に開けておきますが
どうしようも無い程の大雨の時には
正面もビニールシートで覆い、小降りになるのを待ちます。
そんな時は中で寝てたりもしますw

所で、雨の時に困るのが雨漏りです。
露店は使い続けていると色々と劣化して行きます。
屋根のテントに気付かない内に擦れたりして穴が開いてしまい
其処から雨漏りをして売り物を直撃する事があります。
雨漏りは、雨が降らないと発見出来ませんし
発見した時は手遅れになるので困った物です……

それと、大雨の時には屋根を伝う水の量が極端に多くなる為に
雨水が思わぬ動き方、伝い方をして
意外な所から水漏れを起こす事もあります。
そうなったらもう大慌てで対処療法をするしかありません。
ビニールシートを折ったり重ねたり
ガムテープで穴を塞いだりでてんてこ舞い。
とにかく露店に雨は大敵です。

また、冬には雪が降る事があります。
雪は雨みたいに一気に水が流れる事はありませんが
雨以上に厄介な事があります。
雨は余程の暴風雨でも無ければ
屋根さえしっかりしていれば問題無いのですが
雪はふわふわと舞い落ちる為に
ビニールシートで覆った奥の奥にまで
舞い込んで来るのです。
そして、着地するとすぐに溶けて水になります。
目に付かない場所で水滴になって
それで張子が幾つもダメになってしまった事もありました。

何ヶ月も掛けて準備をして
数日の祭礼期間にだけ出店をする。
それがその日の天候によっておじゃんにされてしまう事もある。
天気の事だから誰に文句を言う事も出来無い……

そんな思いをしながらも露店が辞められない。
露店は麻薬みたいな物かも知れませんw



所で、3月28日発行のカドカワムック『怪』35号に
当方の記事が掲載されています。
顔バレ年バレイヤン(*・∀・*)ではありますが
よろしければお読み下さいませ(→amazonサイトへ)。

m( _ _ )m


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テキヤの実際 その6

 久し振りのシリーズ続編です……


テキヤには様々な人が居ます。
多くは「組(←決して暴力団ではありません!)」
に所属している「プロ」ですが
中には当方の様に、非組員の「シロウト」の立場の露店商も居ます。
そして、そう言う「シロウト」にも色々な人が居ます。

以前、祭りの露店の数が急増した事がありました。
1995年頃からの数年間です。
それはバブルが崩壊し、職を失った人達が
一斉に露店商に流れ込んで来た為でした。

当時出店をしていた夏祭りでは
決められた出店領域では収まりきれない程で
それこそギュウギュウ詰め状態でした。
その多くは、比較的簡単に商売が出来る
「お好み焼き」や「たこ焼き」等を売っていました。
ですが、露店商が商売として「美味しくない」事が判ると
その人達は一斉に去って行ってしまいました。

露店商は商売としては美味しい物ではありません。
極端に他と差別化出来る商品は少ないですし
出店の場所によって売り上げの差が大きく、
何よりも天気によって売り上げが大きく左右されます。
雨は勿論、暑過ぎても寒過ぎても
風が強くても客足は鈍ります。
強風で露店が破損する事も少なくありません。

売り上げ自体も、例えばお好み焼きを1枚売って
精々300円とか500円と言った所。
そして、出店出来る場所(祭礼)は限られています。
イベントや市民祭り等、露店商組合を通さずに
出店出来る場所を積極的に開拓出来る人でしたら良いでしょうが
そうでない人が露店の収入だけで食べていくのは
中々容易な事ではありません。

なので、バブル崩壊後の一時凌ぎで露店商になった人達は
それに気付くとさ〜っと潮が引くように去って行ってしまいました。
結局、残ったのは昔から露店をやっている人達だけでした。
露店商組合は「来る者は拒まず、去る者は追わず」の立場の様です。
露店商は、社会からはみ出してしまった人達の
受け皿的な役割も果たしている、と言えるでしょう。
ある意味、露店商は社会のセーフティネットなのかも知れません。
去って行った人達がその後どうなったのかは勿論判りません。
ちゃんと新たな職に就けていたら良いのですが……

所で、出店の数が減ると祭りが寂しくなります。
急激に増えた分が無くなっただけなので
実際には元の数に戻った訳なのですが
何か寂れた感じが出てしまっていました。
その所為か、祭りの人出はその後減り続けて行ってしまいました。
イナゴの大群に襲われて、
荒された畑だけが残った、みたいに感じました……


そもそも「金儲け」だけをしたいのであれば露店商は向いていません。
「商売」をしたいだけなら露店である必要はありません。
露店商は、露店で商売をする事自体が楽しいからやっている、
と言っても過言では無いでしょう。

因みに当方は、お客様とダイレクトにやり取りが出来るライブ感、
自分も祭りの雰囲気を作っている側だ、と言う参加者意識、
祭礼の間だけ、その町に訪れ生活をし、
祭礼が終わると跡形も残さずに去って行く、と言う「マレビト」感、
が楽しくてやっていますね〜
それはお金には代えられない楽しみと言えます。

そんな事に楽しさを感じている様では
大きな金儲けはまず出来ませんよね……(-_-;)



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テキヤの実際 その5

 さて、祭の時間もそろそろ終わりに近付きました。

出店が何時終わるか、は祭によって違います。
夕方に終わる祭もあれば
夜遅くまでやっている祭もあります。
終了時刻は凡そなのが普通ですが
「何時までに撤収完了しなければならない」
と言う祭もあります。
また、勿論人出に影響もされます。
客足が途絶えれば
早々に片付けを始めてしまいます。

初詣の場合は大晦日の晩から
元日の晩までぶっ続けの出店になります。
当方は現在は初詣の出店はしていませんが
以前やっていた時は
大晦日の晩8時頃から出店を始め
商売をしながら新年を迎え
そして朝を迎え
そのまま晩まで商売をしていました。
出店しながら夜明けを迎えるのは
中々の風情のある物でしたが、
睡眠もろくに出来ず、寒さもあり
かなり辛度い物ではありました……


商売の開始は勝手に決められませんが
商売の終了はそれぞれの自由です。
祭の最中に勝手に店じまいをしても
問題はありません。

ただ、周りが片付け始めたのに
何時までも一人だけ
商売を続けている訳には行きません。
出店の場所や状況にもよりますが
出店の撤収も人や車が一気にごった返しますので
他の人の撤収作業の邪魔になります。
その辺りは回りに合わせなければなりません。
勿論、お客様が引きも切らず
応対が続いている場合は別です。

屋台をバラし、荷物を車に積んだら
後はもう勝手に帰るだけです。
一応当方は両隣や顔見知りの人に
挨拶はしますが
それをしない人も居ます。
祭を仕切っている人にも挨拶をしたいのですが
その人が祭の場に既に居ない場合もありますし
見回りをしていて何処に居るか判らない事もあります。
なので、あくまでも可能な場合のみ挨拶をして行きます。

そして車に乗り込み、場を後にします。
これで出店は全て終了です。
何か事情が無い限り
また来年の祭に同じ手続きをして出店します。
そうやってテキヤは生活しています。

(多分終わり)


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テキヤの実際 その4

 さて、これでやっとテキヤの商売が始まりました。
ですが、商売中にやらなければならない事もあります。
それは電気代清掃代等の支払いです。

申し込みの時に支払った場所代は
あくまでも場所を確保する権利の代金です。
出店には照明が必要ですし
大量に出るゴミを清掃しなければなりませんので
それの代金は実際に出店した際に
支払いが必要になります。
また、場合によっては
祭礼を行っている神社やお寺への寄付金を
徴収される事もあります。
それらは組の人が一軒一軒出店を回って
徴収して行きます。

金額は祭礼の規模や期間によっても違いますが
電気代は電球一つで4000円、
清掃代は8000円が平均的でしょうか。
電気代は電球の数で決まります。
電球が2個あれば、単純に2倍の値段になります。
なので担当者が
その場で電球の数を確認してから
徴収して行きます。
寄付金は500円か1000円が多い様です。
それらの代金を支払うと一応領収書をくれます。

尚、組の人が自分達の庭場(縄張り)や
他所の場所でも、兄弟分等の関係の深い人の庭場で
出店した場合は
特権として、その時に場所代の半額が返金されます。
これを「義理返し」と言います。
因みに、当方の様な「シロウト」には
基本的にこの恩恵はありません……


代金の徴収方法にも幾つかあります。
昔ながらのやり方では
出店の商売も佳境に入った頃合に
露店の出ている道の真ん中を
担当のリーダー格の人が
「バイチュウ恐れ入ります!」と大声を出しながら歩き
手下の人が大名行列よろしく後に付いて行き
各店を手分けして徴収して行く、と言うのがあります。
因みに「バイチュウ」とは「売中」、
即ち「商売中」の意味です。

ただ、この方法は
祭に来て頂いたお客様に
無用の威圧感を与えてしまう為か
現在では殆ど行われていない様です。
その為、現在では多くは
大声で歩く人を省略した形で
代金の徴収が行われています。

出店に徴収の担当者が
「バイチュウすんません」と
目立たぬ形でやって来ます。
客で店の前が塞がっている時は
脇の方から声を掛けられます。
あくまでも控え目で
客を押しのけるような事はしません。

清掃費と電気代の徴収は
別々の人がするのが基本の様です。
祭によっては電気代は
配線工事をした電気工事会社の人が
徴収を行う事があります。
その場合、電気代を支払うと
その証拠として領収書代わりに
電気工事業者の印を押した荷札の様な物を
露店の目立つ部分にくくり付けてくれる場合もあります。


これらを支払いさえすれば
あとの売上金は全て自分の物になります。
徴収額は歩合では無く、固定です。
売れば売るほど見入りは大きくなります。
逆に言えば、どんなに売れなかろうと
場所代電気代清掃代は支払わねばなりません。
なので、

 テキヤ殺すにゃ刃物は要らぬ
 雨の三日も降れば良い

と、昔から言われています。

祭りの出店は楽しいのですが
天気に極端に振り回されてしまうのは
困ったモンです……


(まだ続くかも)

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テキヤの実際 その3

さて、いよいよ露店の設営です。

祭りが始まる前に
設営は完了していなければなりませんが
設営を開始するタイミングは祭りによって違います。
何日何時から始まるか、は
受付時、担当者の居る机に貼ってありますので
申し込みの受付の時に確認しておきます。
祭り当日の朝10時からとなっている場合が多い様ですが
これも10時ピッタリに始まる事はあまりありません。

設置場所は基本的に前年と同じですが
正式には当日にならないと判りません。
設営場所を発表する事を「場所割り」と言います。
その場所割りの方法も祭りによって違います。

伝統的な方法としては
担当者が、露店場所を詳細に書いた
手書きの地図(手板)を持ち
出店予定現場を歩きながら、
その場所場所で
「ジク、〇〇さん」
「金魚、△△さん」
と、商売のネタと、出店者の割り振りを
読み上げて行く、と言うのがあります。
呼ばれた人は
「有難う御座居ます」
又は
「よろしくお願いします」
と応答します。
自分が呼ばれるのを待つ為に
大勢の人が担当者の後ろを
ぞろぞろ付いて歩いて行く事になります。
呼ばれたらそれ以上付いて行く必要はありませんので
読み上げが進む度に一人また一人減っていく事になります。
ただ、その間他の通行の邪魔になる為か
今はこの方法はあまりされていない様です。

近年多い方法は
出店場所に番号を振り
当日に番号札を配布する、と言うやり方です。
番号札はボール紙を切った物が使われたり
受付の時に半券を返さずに
それを番号札にしたり、
これも場所によって色々です。
申し込みの手続きをした場所に
担当者が来て
「ジク、〇〇さん」
と順番に読み上げます。
その札を受け取って、手続きは終了です。
受け取る時に
「有難う御座居ます」
と言うのが慣例です。

更に手間を省いた方法としては
道路にネタを書いたガムテープを貼り
それを見て各々が
自主的に場所を確認する、と言うやり方があります。
当方は「張子」で、他の人とかぶりませんので
確認は簡単です。


場所を確認したら荷降ろしをして設営の始まりです。
とは言え、出店場所が予め判っている場合は
(初めて出店をする場所以外、殆どがそうなのですが)
前日の晩に荷降ろしだけをしてしまいます。
荷物をブルーシート等で覆って
置いておくのです。
当日は出店の準備をする人と車でごった返しますので
可能な人は予め前夜に荷降ろしだけをして置きます。
設営の手順は以前の日記(→こちら)を参照して下さい。

設営が完了しても、すぐに商売が出来る訳ではありません。
以前の日記では既に天幕(テント、屋根)を上げていますが
それはたまたまそう言う祭りだったからで
本来は担当者の許可が出るまで
天幕を張る事は許されません。
売り台の組み立てを終えても
天幕を張らずに待たなければいけないのです。
天幕を張る事は商売の始まりを意味します。
たとえ商品を並べ終えていたとしても
許可を得ずに勝手に商売を始めてはいけないのです。

全体が概ね設営をし終わった所で
担当者が手板を元に最終確認をして回ります。
場合によっては、当日に出店キャンセルが出たりして
店の配置を微調整をする事もあります。
最終確認が終わると担当者の合図で
一斉に天幕を上げます。
やっとこれで露店の商売の始まりです。

商売が始まってからも
物を売る事とは別に
やらなければいけない事が幾つかあります。

それはまた次回に……


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テキヤの実際 その2

祭りに露店を出すには申し込みをしなければなりません。

祭りの数日前に、現場に申し込み受付場所が作られます。
その祭りを取り仕切っている「組」の人が
長机を出して申込用紙を書き込む場所を設置するのです。
何日前にそれが作られるかは、祭りによって違います。
数日前の事もあれば、何週間も前の場合もあります。

朝、申し込みをする人達が三々五々集まって来ます。
そして口々に「この間はすんませんでした」と挨拶しています。
最近、その人が仕切っている祭りに出店させて貰ったのでしょう。

受付は10時に始まります。
とは言え、10時丁度に始まる事はあまりありません。
何故か10時半前の事が多い様です。
因みに、11時半過ぎには受付の締め切りになります。

そこで担当者に申込用紙を貰います。
出店一店舗につき1枚、何枚欲しいかを担当者に言うのですが
「1枚、2枚」とは言いません。
業界用語では「1本、2本」と数えます。
なので「1本お願いします」と言うと届出用紙を1枚くれるのです。

その届出用紙に取り扱う商品の種類と氏名を2箇所に書きます。
生年月日、住所、電話番号、所属支部名を書く欄もありますが
基本的に書かなくても大丈夫な様です。
また別の一覧表の様な用紙に同じ内容を書きますが
そちらには商品種類、住所氏名、電話番号、生年月日、電話番号を
全て書かなければなりません。
更に車のナンバーを書く欄もありますが、それは任意です。

取り扱い商品は「くじびき」は「ジク」、「植木」は「ハボク」、
「天津甘栗」は「タンバ」等、符丁で書きます。
符丁は地域によって内容が違うかも知れません。
「ジク」は全国共通でしょうが
「タンバ」は栗の山地、丹波地方を語源としているので
関西限定かも知れませんね。
当方の場合は、他に張子を売っている人が居らず
符丁がありませんので「張子」とそのまま書いています。

届出用紙と共に組合員証のコピー、出店料を添えて提出します。
出店料は祭りによって違います。
祭りの規模、期間によっても違いますが
宵宮、本宮の2日間の祭りの場合、
1万5000円くらいが多いでしょうか。
因みに、出店料の事を業界用語で「チャクトウ」と言います。

祭りによっては、その地域の人が
その祭りにだけ出店する、と言うものもあります。
その人は、他の祭りには出店しないので
組合には加盟していません。
その場合は「臨時組合員証」を発行して貰わなければなりません。
出店料の他に、「臨時組合員費」が必要になります。


用紙を受け取ると、記入された氏名と取扱商品を
担当の人が読み上げます。
すると、別の人が、前年の出店状況を記した地図を見て
ちゃんと前年も出店した人がどうかをチェックします。
画用紙を何枚も貼り繋げて、道路のどの場所に
どんな内容の店を誰が出したか、が
詳細に手書きされた物を毎年作って管理しているのです。
その地図の事を「手板(ていた)」と言います。

前年に出店実績の無い人は其処で弾かれます。
基本的に新規の人は受け付けない事になっているのです。
新規で出店したい場合は、所属支部を通じて
予め話を通して置かなければなりません。
出店の場所と言うのは
出店する人(組)と、場所を仕切っている人(組)との
力関係で決まりますので
いきなり申し込みに来て
急に場所を貰う事は出来無いのです。

露店商は誰もが良い場所で出店をしたいと思っています。
メインの参道、本堂や社殿の前等の
人通りの多い、良い場所の事を
「本土場(ほんどば)」と言います。
本土場は組の幹部クラスの人が取ります。
それに対して、人通りの少ない、悪い場所の事を
「ガリショバ」と言います。

とは言え、場所を仕切っている組の人が
本土場を独占している訳ではありません。
そんな事をしたら、別の場所で出店をする時に
相手にして貰えなくなりますので
別の組の人から文句が出ない様に、
上手く配分を考えます。

売り物の内容によって出店をする場所はある程度決まって来ます。
例えば、植木や陶器、荒物、最近は滅多に見ませんが見世物小屋等は
出店地域の辺縁部に配置されます。
また、同じネタが隣り合わない様にもしなければなりません。
様々な店種を重ならない様に考え、
更に組の力関係も勘案して出店を配置し、
祭り全体をデザインしなければなりません。
それが、其処を仕切っている組の
腕の見せ所にもなります。

そうやって配置された出店の場所は既得権となりますので
何か特別な理由が無い限り翌年以降も引き継がれます。
そう言う意味でも、新規の出店が簡単に出来無い様になっています。
因みに、当方の様に「素人」の立場だと
基本的に隅っこに追いやられますw


さて、手板のチェックを無事通過すると、
係りの人から半券を返されます。
これで受付は終了です。
祭りの当日、実際の出店の準備をする事になります。



(続く筈……)


 
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テキヤの実際 その1

 当方は祭りでの出店をメインの活動にしています。
其処で、露店を出すに当たっての実際の話を
何回かにわたって書いてみようと思います。

不定期連載ですが、お読み頂けましたら嬉しく思います。
また、内幕を記述する事によって何か不都合が生じた場合は
イキナリ削除するかも知れませんので
その時はお許し下さいませ(^−^;)





祭りに露店を出す為には露店商組合に加盟しなければなりません。
露店は公道を占有する為に、警察の道路使用許可が必要になります。
私道や私有地の場合は所有者に許可を得なければなりません。
露店の後ろ側に当たる家等にも挨拶が必要です。
また、自前の発電機を持ち込む場合は別ですが
電気を使う場合には電線を引かなければなりません。
つまり、露店は勝手に出店する事が出来無いのです
(商店が軒先に広げる様な物は除く)。
その手続き等を纏めてやってくれるのが露店商組合です。

露店商組合は地域によって担当区域が決まっています。
所謂「縄張り」で、それを業界用語で「庭場(ニワバ)」と言います。
庭場内の祭りは、全てその地域の担当の露店商組合が仕切っています
(行政やコミュニティ主催の市民祭り等は除く)。

露店商組合は「組」が運営しています。
「組」とは言っても暴力団ではありません。
簡単に言えば、

 暴力団・・・・・非合法(またはスレスレ)な方法で利益を得ている
 露店商・・・・・露店と言う合法的な販売行為で利益を得ている

と言う違いがあります。
見た目はそっくりかも知れませんが(←オイ)
全く別の世界の人間です。
先にも書いた様に、露店の出店をするには
警察の許可が必要不可欠です。
露店商の「組」は警察と協力関係にあります。
その為、露店商組合には暴力団は居ません。
以前は露店商組合に暴力団員も紛れ込んでいましたが
1992年の暴対法施行によって排除されました。
とは言え、グレーゾーンの人は現在も少なからず居るのですが……(^ω^;)
(↑ドラッグで反転させてお読み下さいw)


で、組合は「組」が運営していますが、
組合員全てが「組員」な訳ではありません。
当方の様に、「組」に所属していない、
「素人」の立場の組合員も多数居ます。
露店商組合には基本的に誰でも加入出来ますが
加入する為には、
組合の理事、副理事等の担当者の面接が必要です。
因みに、組合の役職者は「組員」です。

当方の場合、その担当者に辿り着くまでが中々に大変でした。
最初に聞いた連絡先に電話をすると
「その件は××に聞いてくれ」と電話番号を教えられ
その人に掛けると「あ、その件は△△へ聞いてくれ」、
その人に掛けると「あ、その件は☆☆へ聞いてくれ」と
散々あちこちにタライ回しをされました。
そうやって敷居を高くしているのかも知れませんね……

面接の際には何の商売をしたいか、を聞かれます。
誰でも加入出来るとは言え、
組員の「商売敵」が増えては困ります。
希望の取り扱い品目が、自分達の物と被る場合は
別のネタを勧められるか、
または、出店出来る場所の調整を受ける事になるのでしょうが
露店で張子を売る人は全国でもそんなに居ませんし
その庭場には勿論居ませんでしたので
当方の場合はその心配はありませんでした。
また、普通なら屋台を含め、
出店道具の斡旋を受ける事が必要なのですが
その点も当方は自作の物がありましたので
必要ありませんでした。
面接はすんなり終了しました。
晴れて「組合員」になり、出店が可能になったのです。

組合員には組合員証が発行されます。
有効期限は1年。
毎年3月に更新されます。
その度に年間の組合員費を納めなければなりません。
でも、その組合員証があれば、全国何処の祭りにでも
基本的に出店が可能なのです。

(続く筈……)


 
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張子の出店をして、遥か遠きアフリカを想う

10年位前の話。

丁度この時期、大阪南部の、とある古刹の縁日に出店をした。
その日はとても天気が良かった。
道路に沿って露店が立ち並んでいた。
当方もその中の一つとして
小さな空き地を背負う形で出店をしていた。

出店を始めてすぐの事。
ふと見ると、台の上を
恐らくセイタカアワダチソウヒゲナガアブラムシと思われる
赤いアブラムシ(→こちら)が這っていた。
確かに、後ろの空き地には
沢山のセイタカアワダチソウが生えていたので
其処からやって来たのだろう。

ちょっと気持ち悪い。
だが、無駄な殺生はしたくない。
なので、台上のホコリ掃除用に装備している
エアダスターで吹き飛ばした。

だが、良く見るとあちこちにアブラムシが居る。
見付ける度に吹き飛ばしていたのだが
そいつがまた上って来ているのかも知れない。
これは吹き飛ばすより捕獲した方が良いかも知れない。
なので、見付ける度にフィルムケースに入れる事にした。

薄紙ですくい上げてフィルムケースに移す。
念の為、「正」の字を書いて、数を数えて行く。
するとフィルムケースの中にどんどんアブラムシが溜まって来た。
だが、台の上のアブラムシの数はどんどん増えて行く。
とても捕獲が追い付かない。

その内、当方の体や顔の上も這い出して来た。
気持ち悪いし、体のあちこちがむず痒い。
だが、下手に払おうとするとアブラムシを潰してしまう。
アブラムシは徐々に
服の中や、手の届かない所にまで入って来る様になって来た。
体を動かすと、うっかり潰してしまい、
赤い汁があちこちに付いてしまったりもして来た。

フィルムケースのアブラムシの数は
200匹を超えた時点で数えるのを辞めてしまった。
アブラムシは更に増えて来た。
とてもじゃないが太刀打ち出来無い。
もう当方の力ではどうする事も出来無い……


すると、だんだんもう、どうでも良くなって来た。
アブラムシを一々気にしていては
それこそ何も出来無い程の状態なのだ。
顔の上を這われてむず痒いのだが
それを気にしていては
接客も、その場でやるべき張子の仕上げ作業も出来無い。
なので、もう諦める事にした。

そうなると、顔の上を這われても
あまり気にならなくなって来る。
勿論、這われているのは認識しているのだが
本当にどうでも良くなってしまうのだ。
当方の顔、体の上を這っているのは
2〜3匹と言うレベルの数では無いのだ。

と言う訳で、その後
台の上から体の上から顔の上から
至る所にアブラムシを這わせながら
その日の出店を過ごした。
撤収の時も、アブラムシが潰れるのを
あまり気にしないで、普通に積み込み作業をした。


アフリカの原住民を取材した番組で
顔の上をハエが沢山たかっているのに
現地の子供たちは全くそれを気にしていない、
と言うシーンが良くあって、
何故顔のハエを追わないのだ!?と不思議だったのだが
それはこう言う事だったのか、と初めて判った。
彼らは生まれた時からそうだったのだから
痒いも何も感じないのだろう。
一々それを気にしても仕様が無いのだ。
改めて気にする事でも無いのだ。

アフリカ原住民の感覚が
日本の片隅で張子の出店をして実感出来るなんて
思いもよらなかったよ。



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