まねき屋の張子blog

まねき屋の張子作業に関するblogです
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下地塗り

今度は下地塗りの作業です。

下地には胡粉(ごふん)を使います。
胡粉は貝殻を焼いて粉末にした物で
白絵の具の材料としてだけで無く
工芸品や日本画の下地材として広く使われています。
また、高級品の雛人形の顔にも使われており
あの自然な白さと独特の艶を醸し出しています。
意外な所では「塩豆」の表面の白い部分にも
胡粉が使われています。

胡粉には使用されている貝殻の種類と
粉末の細かさによって様々な等級があり
安い物と高い物では10倍もの価格差がありますが
当方が使用しているのは高級品ではありません……(^ω^;)

胡粉は膠(ニカワ)で溶きます。
膠は動物の皮などから抽出される物質で
古くから接着剤や、絵の具の定着材として利用されています。
因みに、食品等に使用されているゼラチンは
膠を高度に生成した物、との事です。

胡粉をいきなり膠液で溶いてしまうと
胡粉がダマになってしまって仕上がりが綺麗になりません。
ダマにならない様にする為に膠液を少しずつ加えて良く練る
「胡粉練り」と言う作業が必要になります。
因みに胡粉練り作業の画像は撮りそびれてしまいました……(-_-;)
次回の作業の際にはちゃんと撮影したいと思います。

膠はゼラチンなので、温度によって状態が変わります。
温度が高ければ柔らかくなって結着力が弱まり
乾燥の際にひび割れたりしてしまいます。
なので、人形師等が胡粉を膠で練る場合、
その日の温度や湿度によって配合を変える、と言います。
当方は季節によって配合は若干変えますが
約1週間に及ぶ胡粉塗り作業用の胡粉を
予め一度に作って置きますので
その日その日に合わせて配合を変える事は出来ません。
なので、エアコンを駆使して室温の方を調節しています。
文明とは有難い物です……

体験的には、胡粉塗り作業には15℃以下が良い様です。
なので、世間的には暑くない日でも
ガンガンにエアコンを点ける事も少なくありません。
地球に優しくないですね……(^ω^;)

先に書きましたが、当方は胡粉液を大量に用意します。
今回は胡粉5kg、膠液約8ℓ分を作りました。

それを容器に入れ、湯煎で温めながらかき混ぜます。
温めると胡粉と膠がより馴染み、使いやすくなります。

ですが60℃以上になると胡粉の色が悪くなりますので
注意をしなければなりません。

胡粉の用意が出来たらいよいよ胡粉塗りです。

紙の生地に胡粉をたっぷりと含ませた刷毛で
刷り込む様にして塗ります。



この時に良く擦り込んで、
紙生地と胡粉をしっかり馴染ませておかないと
重ね塗りの際に気泡が生じてしまい
最終的に表面が綺麗に仕上がりません。

首の方も同様にして胡粉を塗って行きます。


先に作業の際は15℃以下が良い、と書きましたが
胡粉液自体がその温度になるとゼリーのように硬まってしまいます。
そうなると、「塗る」と言う作業に支障を来たします。
かと言って、胡粉液が温か過ぎても逆に扱い難くなります。
なので、塗る際に胡粉液の調子を見て
硬くなったら少し温め、柔らか過ぎたら冷やし、と
液温調節をしながら作業を進めて行きます。

胡粉を塗った生地はその都度乾燥させます。
一度塗っただけの状態がこちら。


2度目。


4度塗って、やっと生地として完成します。

世の中の張子全てが胡粉を4度塗っている訳ではありませんが
当方はそれ位の厚さの胡粉の生地の質感が好きなので
そうしている次第です。
塗れば塗る程表面は滑らかで綺麗になります。

胡粉を塗った物は、藁を束ねて作った専用の台「藁苞(わらづと」に
並べて刺して乾燥させます。


一度に作業する量は1000個以上に及ぶ事もあります。

なので約一週間、ぶっ通しで胡粉塗り作業をする事になります……

胡粉生地が完成したら、いよいよ色塗り作業になりますが
それはまた次回に……


来年の干支、ねずみの特集ページを設けました。
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この記事に対するコメント

えべっさんまで、(,,゚Д゚) ガンガレ!
yayoi | 2007/11/26 10:08 PM

>>yayoiさん

有難う御座居ますー(・∀・) ♪
まねき屋 | 2007/11/26 11:41 PM
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