まねき屋の張子blog

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張子の出店をして、遥か遠きアフリカを想う

10年位前の話。

丁度この時期、大阪南部の、とある古刹の縁日に出店をした。
その日はとても天気が良かった。
道路に沿って露店が立ち並んでいた。
当方もその中の一つとして
小さな空き地を背負う形で出店をしていた。

出店を始めてすぐの事。
ふと見ると、台の上を
恐らくセイタカアワダチソウヒゲナガアブラムシと思われる
赤いアブラムシ(→こちら)が這っていた。
確かに、後ろの空き地には
沢山のセイタカアワダチソウが生えていたので
其処からやって来たのだろう。

ちょっと気持ち悪い。
だが、無駄な殺生はしたくない。
なので、台上のホコリ掃除用に装備している
エアダスターで吹き飛ばした。

だが、良く見るとあちこちにアブラムシが居る。
見付ける度に吹き飛ばしていたのだが
そいつがまた上って来ているのかも知れない。
これは吹き飛ばすより捕獲した方が良いかも知れない。
なので、見付ける度にフィルムケースに入れる事にした。

薄紙ですくい上げてフィルムケースに移す。
念の為、「正」の字を書いて、数を数えて行く。
するとフィルムケースの中にどんどんアブラムシが溜まって来た。
だが、台の上のアブラムシの数はどんどん増えて行く。
とても捕獲が追い付かない。

その内、当方の体や顔の上も這い出して来た。
気持ち悪いし、体のあちこちがむず痒い。
だが、下手に払おうとするとアブラムシを潰してしまう。
アブラムシは徐々に
服の中や、手の届かない所にまで入って来る様になって来た。
体を動かすと、うっかり潰してしまい、
赤い汁があちこちに付いてしまったりもして来た。

フィルムケースのアブラムシの数は
200匹を超えた時点で数えるのを辞めてしまった。
アブラムシは更に増えて来た。
とてもじゃないが太刀打ち出来無い。
もう当方の力ではどうする事も出来無い……


すると、だんだんもう、どうでも良くなって来た。
アブラムシを一々気にしていては
それこそ何も出来無い程の状態なのだ。
顔の上を這われてむず痒いのだが
それを気にしていては
接客も、その場でやるべき張子の仕上げ作業も出来無い。
なので、もう諦める事にした。

そうなると、顔の上を這われても
あまり気にならなくなって来る。
勿論、這われているのは認識しているのだが
本当にどうでも良くなってしまうのだ。
当方の顔、体の上を這っているのは
2〜3匹と言うレベルの数では無いのだ。

と言う訳で、その後
台の上から体の上から顔の上から
至る所にアブラムシを這わせながら
その日の出店を過ごした。
撤収の時も、アブラムシが潰れるのを
あまり気にしないで、普通に積み込み作業をした。


アフリカの原住民を取材した番組で
顔の上をハエが沢山たかっているのに
現地の子供たちは全くそれを気にしていない、
と言うシーンが良くあって、
何故顔のハエを追わないのだ!?と不思議だったのだが
それはこう言う事だったのか、と初めて判った。
彼らは生まれた時からそうだったのだから
痒いも何も感じないのだろう。
一々それを気にしても仕様が無いのだ。
改めて気にする事でも無いのだ。

アフリカ原住民の感覚が
日本の片隅で張子の出店をして実感出来るなんて
思いもよらなかったよ。



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